「猫のまんま」秋の段4
お留守番【おるすばん】 出典:三省堂大辞林より
主人や家人などの外出中,その家を守ることに接頭辞「お」がついたもの。
<新解釈>お留守番【おるすばん】:松永解大辞典より
通常半日から数日飼い主が外出または出張の際、自分たちのご飯を食べつくし、隠しているキャットフーズやおやつを探し当て嚙み破り食い散らかし、家中のカーテン・ブラインドを破壊したりとありとあらゆる家財道具を弄ぶ惨事が待つこと。通常飼い主が帰宅後はお出迎えをして「寂しかったよ」をアピールするものの数分後には飼い主の悲鳴が響き飼い主から追いかけられる羽目になる出来事。
============================================================================
「1、2、3、、、えっと、えっと次は何だっけなあ」
「きいちゃん何数えてるの?」
「そい、いいとこに来たな、3の次は何だっけ。」
「えっとね、多分7!」
ゴソゴソゴソ、、。
「1、2、3、7、、。半分がおいらので、後のはそいのだから、今日はいくつ食べてもいいのかなあ。」
「わあ、きいちゃん。今日ご飯がいっぱいあるよね。何かいいことあったのかなあ。」
「違う、違う、そい!こんだけご飯があるということは父ちゃんしばらく帰って来ないってことだよ。」
「ええ〜、そんなあ。僕、今度は父ちゃんと一緒に出かける!」
「無理だよ、そい。こんだけご飯があるということは父ちゃんおそらくお日様が2回出てくるまでは帰って来ないはずだよ。きっと遠いところに行くんじゃないかなあ。」
「だったら、絶対行きた〜い。どんなとこかなあ。僕たちのゲージ用意してもらわなくちゃ。」
パタパタパタ、、、。
「おいら、やだな。ゲージって狭いし、ここに越してくる時みたいなガタガタする乗り物嫌だよ。」
「僕は好きだなあ、だってお外がどんどん動いてるし、僕が走るより早いもん。」
「そい、お前も父ちゃんと出かけたら、おいら一人になっちゃうじゃないか!」
「うん、そうだけど、、、。う〜ん。」
「外は雨だぞ、寒いし、濡れるぞきっと、、。」
「やっぱ、濡れるのやだから僕もきいちゃんとお留守番する。」
「そい、それになゲージにおいらたちが入るとすごく重くなるんだよ、父ちゃん大変じゃないか。」
「うん、わかった。僕ら二人でちゃんと良い子でお留守番!」
「へへっっ、、。それにな父ちゃんがいないってことは夜中も追っかけごっこ出来るんだぞ〜。それにおやつも好きな時に食べられるし、足りなくなったらおいらしまってある場所も知ってるし。」
「そっか!父ちゃんがいないから、怒られることもないし。窓際で一日中歌ってられもんね。」
「おいらは、早速「みけん」や近所の友達と夜の井戸端会議が出来るように伝えなきゃ。」
ドテドテ、ドテ、、、。
「あっ、僕もお知らせ、お知らせ」
スタスタスタ
「みんな〜!うちの父ちゃんお出かけで〜す。明日お日様が沈んだら、うちに遊びに来て〜」
「ミャオ〜、ミャオ〜、ミャオ〜」
「ミャオ〜、ミャオ〜、ミャオ〜」
(一日後)
「、、、、、、。」
「、、、、、、。」
「ふわ〜、暇だなそい。」
「うん、父ちゃん出かけてからもう一日過ぎちゃったね。」
「ご飯も湿気ってるから、美味しくないし、、、。」
「やっぱり、父ちゃんに遊んでもらう方が楽しいね。」
「そうだけど、父ちゃん窓閉め忘れてるから寒いし、テレビついてないから静かだし、何よりおいらたちのベッドの暖房つけ忘れてるから冷たいしさ、もう父ちゃんたら、全く!」
「あ、お水ももうないよ。」
「ちょっと、こりゃ父ちゃんに抗議だな!」
「きいちゃん、でもじ〜っと父ちゃん見ても気づかなかかったじゃん。」
「よし!今度は実力行使だ!」
「何するの?」
「そい、お前はまず、トイレの砂を辺りにこぼすんだ。おいらはご飯の入った入れ物をひっくり返していくから。」
「うん、わかった。父ちゃん帰って来たらきっと僕らに『ごめん』って謝るよね、きっと」
「そうそう、おやつもたくさんくれるぞ」
ガサガサ、ガサ、、、
パタン、パタン、、、ガチャ〜ン、、。
「おいら、ついでにカーテンも引っ掻いておくからな。」
「あ、僕は壁も引っ掻いておく。」
ガチャ!
「あっ、父ちゃんだ!」
「うほほ〜い!おやつ。おやつ」
「父ちゃん、お帰り〜」
「お帰り〜」
「僕たち良い子でお留守番してたよ〜。」
「、、、、、!! 」
「え?父ちゃん?」
「そ、そい!やばい!逃げろ!!」
============================================================================
・・・・次回に続く
この記事へのコメントはありません。