食材 を引き立たせてくれる器「有田焼:青磁」

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食卓と食材を彩る「器」の魅力

食卓を彩る色々な食材、そして引き立ててくれるのが「器」です。季節の旬の食材をTPOに応じて器を選ぶ楽しさがありますよね。時には庭にある季節感のある花や草木をアレンジして添えてみるのもいかがでしょうか。決して高級な器を必要とするわけではなく、夏には涼しげなガラスに綠の葉を置いてみるとか温かい煮物やスープは厚手の器を選んでみるといいと思います。また器以外に木材をつかったり、布をあしらったりと楽しみはつきません。僕は器として数年前から「有田焼」「唐津焼」の色あいや手触りに魅了され、少しずつ買揃えてきました。もちろん、百円均一の器や小物も大活躍しています。(笑)素材や料理を見栄えよく、おいしそうにに演出するのも料理をする側の楽しみでもあり、お客様に喜んでもらえる「おもてなし」のひとつでもあると思っています。

今回はご縁あって、有田の陶芸家の梶原さんの工房にお邪魔できる機会があったので、400年以上の歴史を誇り日本初の陶磁器の製造がはじまったといわれる「有田焼」の”青磁”についてまとめてみました。今年は新型コロナウイルスの影響で「有田陶器市」にはいけませんでしたが多くの陶器ファンの方にもまた有田焼にご興味のある方にも最後までお読みいただければうれしいです。

有田焼「青磁」に魅かれて

有田には独特の伝統的な文様を活かした色彩豊かな陶磁器が有名ですが、シンプルな色あいで美しさやデザイン性を極限までこだわった「白磁器」「青磁」もその存在感は絶大です。特に今回お邪魔して製作の工程や歴史をふりかえることで「青磁」のえも言われぬ深胃い青みや色調にますます魅かれていきました。

青磁とは白磁の上に青緑色の釉を施されたものを基本とするが、胎が白色でなく灰色や褐色の場合も青磁と呼ばれることが多い。中国宋時代の青磁に、胎が褐色で釉が青白濁のものがある。我国で粉青磁とも呼ばれるが、これも青磁の1つである。青磁の色調はこのように釉の色ばかりでなく、素地の色で様々な色調を生み、また焼成の状態でも複雑に変化する.”と書かれています。
鈴田由紀夫氏 佐賀県立九州陶磁文化館報 より引用

「青磁の歴史」日本での生産は17世紀から

中国で発達した陶磁器であり、日本、東南アジア、朝鮮半島にも伝播した。龍窯と呼ばれる単室の登り窯で焼成され、より効率のよい窯へ龍窯が発展するに伴って、良質な青磁が生産されるようになる。青磁と呼ぶことのできる釉が現れるのは、後漢~西晋時代の江南地方であり、越州窯(浙江省)の青磁が有名である。唐代以後、青磁は多くの文人・知識人に愛されたが、その理由の一つに碧玉に近い色がある。碧玉は古代より君子が身に付けるものとされ、儒教においては徳の根源とされ尊重されていた。青磁は「假玉器(かぎょくき)」と称され、碧玉に近い色の青磁は貴族に宝器として受け入れられた。日本の茶人達は茶道具を格付けすることを好んだが、中国産の青磁を砧、天龍寺、七官、珠光、人形手と分類した。中でも砧(きぬた)は最上格の名物であり、中国では「粉青釉龍泉青磁」と呼ばれている龍泉窯の「青秘」である。また、侘び茶の始祖、村田珠光は下手物と呼ばれる青くならなかった灰黄色・褐色の青磁に価値を見出し愛用した。以来、珠光ゆかり・珠光好みの褐色の青磁は珠光青磁と呼ばれ、その弟子筋にあたる人々のあいだで名物として扱われた。日本での青磁生産は、17世紀以降である。有田を中心とする磁器胎のもので色絵などと併用したものも多い。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

■ ARITA EPISODE 1(1616-)* PV制作:佐賀県

1616年に日本で初めて磁器を焼成して以来、400年にわたり、ものづくりの進化と革新を続け、今に引き継がれる有田焼。悠久の歴史を刻んできた匠の技と伝統の美を、有田の町並みや花鳥風月とともに描いたショートトリップをお楽しみください。

■ 器を求めて 有田「青磁」 * PV制作:vegeLabo +music: Tatsuya Yamaguchi (freedom-smile)「最果てにて」

有田で長い歴史のある”青磁”をさらに進化させ、自分独自のやきものを作り続けていらっしゃる陶磁器作家 梶原大敬さんのアトリエにお邪魔しました。独特の色相やデザインはここからうまれています。

梶原さんの工房

梶原さんは陶芸家をめざされたのはデザイン関係の学校を卒業され、有田焼の魅力にとりつかれ、伝統の物に自分の感性とデザインを加え作品を完成させることに生きがいを感じたからだそうです。「料理人さんに使っていただける磁器をたくさん作っていきたい」と話されます。一つの作品を作るのに完成までに最初から最後まで2週間から1ケ月お一人で仕上げられるそうです。

ロクロを回す手つきは熟練された感触が重要

梶原さんは「青磁”は中国に起源を持つ青色や緑色を基調とした美しい釉色を特徴とするやきものです。日本には12世紀頃から伝来し、茶の湯の発達のなかで日本人の美意識によって選び出され大切にされてきました。私は長い歴史のある”青磁”をさらに進化させ、自分独自のやきものを作りたいと考えています。」と話して下さいました。

 色をつける素焼きの段階

 翡翠のような美しい青と艶が「青磁」の魅力

梶原さんの工房では身近に陶器の製作体験ができるようにworkshopも開催されていますので是非お問い合わせされてください。:ご希望のお客様にはロクロ体験を行なっております。私がマンツーマンで器づくりをアシスト致します。土1㎏で青磁の器を1つ作ることができます(※陶器での製作となります)。所要時間は約1時間。高台にお名前を彫って焼成後、約2ヶ月後に郵送して下さるそうです。(送料別)。

■ 陶磁器作家 梶原大敬: ceramic artist kajihara hironori

梶原さんのオフィシャルサイト  https://www.hironorikajihara.com 

梶原さんのweb shop   https://hkajihara.thebase.in

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